【亜州ビジネス編集部】
中国自動車最大手の上海汽車集団傘下で「MG」車を販売するMGセールス・タイランドは3月31日、電気自動車(EV)2モデルの値下げから1週間で受注台数が3000台を超えたと発表した。補助金交付と減税を柱とする政府のEV振興策が適用され、22日に新価格を発表。20%前後の値下げを行った。
1台当たりの下げ幅は22万7000〜24万6000バーツ。新たな価格は、ステーションワゴン「MG EP」の最安値モデルが23%安い76万1000バーツ、スポーツ多目的車(SUV)「MG ZS EV」の最高値モデルが19%安い102万3000バーツとなった。予想を上回る予約を受けており、顧客への納車は5月以降、今から予約した場合は年末になるという。
両モデルとも中国から輸入し、2021年の年間販売台数は合計で約1000台だった。MGセールスの親会社で生産会社のSAICモーターッCPは、EVの国内生産を23年にも開始する方針を示している。
政府は2月の閣議でEV振興策を承認した。22〜25年に補助金支給と減税を実施して販売価格を引き下げ、消費者に購入を促す。乗用車などを対象とし、補助金額は1台7万〜15万バーツ。減税では物品税と輸入関税を引き下げる。輸入企業には将来の国内生産を義務付けることで、国内産業の育成も図る。