【タイ】首相が廃車促進指示、大気汚染・資源価格に対応へ

【亜州ビジネス編集部】

プラユット首相は、老朽化した自動車の廃車促進に向け、工業省など関係当局に優遇措置の導入を急ぐよう指示した。

新車への買い替えを促すことで大気汚染の改善につなげるほか、金属スクラップなど資源をリサイクルすることで、鉄鋼など資源価格の上昇に対応できると見込む。5日付バンコクポストなどが伝えた。

運輸省陸運局の集計によると、車齢が20年を超える車の登録台数は2022年1月末時点で500万台を上回っている。タナコン政府報道官は、廃車を促進しなければ20年後に1600万台に達し、メンテナンスが不十分な車によって大気汚染が悪化すると指摘。また、低年式車は約7割が金属で構成されており、資源を回収・再利用することで鉄鋼輸入量を削減できると説明した。タイの鉄鋼消費量は年間1900万トンで、うち1200万トンが輸入、700万トンが国内生産されている。

一方、工業省は、適切な自動車解体施設を運営している企業は国内に2社しかなく、優遇措置の導入で投資を誘致する必要があると提言した。


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