【亜州ビジネス編集部】
ベトナム労働総同盟(VGCL)は、今年7月または来年初めに最低賃金を7%引き上げるよう求めている。
これに対し雇用者側は、業績が上向かない中での最賃底上げは経営を悪化させるとして、少なくとも来年以降に先送りすることを提案している。ベトナムニュースが伝えた。
最低賃金は2020年1月に5.1〜5.7%引き上げられたのが最後で、同年発生した新型コロナウイルス流行の影響でその後は据え置かれている。労働者側は、物価高やそれに伴う生活費の上昇を受け、2年ぶりの引き上げを行うべきと主張している。
一方で雇用者側は、新型コロナ流行の影響がまだ拭えず、物価高によるコスト上昇が業績を圧迫しており、引き上げを遅らせるべきとの意見。また最賃の給与水準で雇っているケースが少ない一方で、最賃を引き上げれば全体の給与水準を引き上げる圧力が強まるとし、業績が上がらない中、先送りを希望している。
今後は国家賃金評議会が労使を交えて開く会議で協議し、方針を決める。なお最賃は4つの地域に区分され、現在は日系企業などの進出が多い第1地域(ハノイ市、ホーチミン市、ハイフォン市など)で月額442万ドン(約2万4200円)。第2地域で392万ドン、第3地域で343万ドン、第4地域で307万ドンとなっている。