【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓の経済を調査・監視するASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)は12日に発表したリポートで、2022年のASEAN域内総生産(GDP)成長率を5.1%と予測した。1月の前回予測の5.2%から下方修正。10カ国のうちベトナムとタイの2カ国で予測を引き下げた。ロシアのウクライナ侵攻を背景とする資源高の加速や物流網の混乱、各国の経済成長鈍化が輸出に影響を与える見通し。インフレ率の予測は4.1%に引き上げた。
ベトナムの成長率は6.5%と予測。フィリピンと並び域内で最も高い水準だが、1月時点の7.5%からは下方修正した。新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、輸出に影響を与えるリスクが残るとしている。
タイの予測は前回の3.6%から3.4%に引き下げた。
一方、インドネシアなど6カ国は据え置き、フィリピンとミャンマーは上方修正した。
インフレ率の予測は10カ国のうち5カ国で引き上げた。燃料を輸入に頼るタイやフィリピンでは、政府のインフレ目標の上限を上回るとみている。
日中韓を合わせたASEAN+3のGDP成長率予測は4.7%とし、0.2ポイント引き下げた。日本を2.9%で据え置く一方、中国本土や香港で下方修正した。