【亜州ビジネス編集部】
電気自動車(EV)販売が急増する中国で、駆動用バッテリーのより効率的な電力補充の方法として、急速充電や交換方式が注目されている。こうした分野の事業を拡大する企業も増えてきた。央視財経が19日付で伝えた。
中国ではEVの増加ペースに充電インフラの整備が追いついていない。このため、集合住宅やその周辺、高速道路のサービスエリアなどで充電設備には長蛇の列ができる。こうした問題への対処法として注目されているのが、急速充電とバッテリー交換だ。
急速充電については米EV大手のテスラが昨年、上海工場で急速充電器の生産を開始。同社の技術を使えば「15分間の充電で最長250キロメートルの走行が可能になる」と宣伝している。他に小鵬汽車(エックスポン)、独フォルクスワーゲンなどのメーカーも中国で急速充電に関する事業を拡大する計画だ。
バッテリー交換方式については、吉利汽車HD(ジーリー・オートモービル・ホールディングス)が昨年12月、力帆科技と共同で交換サービスを開始すると発表。車載バッテリー世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)も今年1月、交換サービスのブランド「EVOGO」を発表。バッテリー交換方式は3分間などごく短い時間で電力の補充が可能なため、タクシーやトラックなど営業用の車両に向くとされる。
国内のEV充電設備数は22年3月末時点で310万9000基となり、前年同期比で73.9%増加している。またバッテリー交換ステーション数は2.4倍の1451カ所に積み上がった。