【亜州ビジネス編集部】
工業省傘下のタイ鉄鋼研究所(ISIT)によると、2022年1〜2月の国内の鉄鋼消費量は前年同期比14.3%減の254万トンだった。ロシアのウクライナ侵攻を背景に鉄鋼価格が上昇し、需要が縮小した。生産量は14.6%減の117万トン、輸入量は12.3%減の158万トンだった。25日付ポストトゥデーなどが伝えた。
国内工場の稼働率は30%を下回る水準まで低下した。21年は37%だった。同研究所は、50%を上回るベトナムや台湾、韓国などアジア各国と比べて非常に低いと指摘。政府のインフラ事業で国産品の使用を奨励する必要があると主張した。
一方、鉄鋼大手タタ・スチール(タイランド)は、22年通期の国内消費量が1850万〜1860万トンにとどまると予測。同研究所がこれまでに予測した前年比3〜4%増の1950万トンを下回るとみている。鉄鋼価格の上昇が足かせとなっており、今後の価格動向はウクライナ情勢に左右されるとの見方を示した。