【亜州ビジネス編集部】
商務省の26日発表によると、2022年3月の輸出額は前年同月比19.5%増の288億5960万米ドルだった。増加は13カ月連続で、金額は1991年の集計開始後で最大。
有事の際に需要が伸びる金が急伸したほか、電子製品や燃料が2割近く増えた。資源高を背景に輸入額も過去最高額を更新し、18.0%増の274億60万米ドルに拡大。貿易収支は14億5900万米ドルの黒字だった。
輸出は8割を占める主要工業製品が20.6%増、2割弱の農産物・加工品が14.2%増。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は8.7%増だった。金は価格上昇もあって11.5倍に拡大した。
工業製品では電子製品が2割増え、うちハードディスク駆動装置(HDD)が6割増と伸び率が高かった。一方、車両・部品は1トンピックアップトラックなどの落ち込みで6.1%減少した。農産物・加工品では、小麦価格が上昇する中でコメの輸出量が倍増。ただ、米ドル建て価格が2割下落し、輸出額は53.9%増にとどまった。
国別の輸出額は、最大の米国向けが21.5%増、2番目に大きい中国向けが3.2%増、3番目の日本向けが1.0%増など。日本向けは4カ月連続のプラスで、化学品や鉄・鉄鋼製品、銅・銅製品などが伸びた。
輸入額は、原油を含む燃料が2.4倍に増え、資本財と消費財も2桁増だった。一方で原材料・半製品や車両・部品は前年割れ。車両・部品では自動車部品が3割落ち込んだ。
1〜3月の累計は、輸出額が前年同期比14.9%増の736億140万米ドル、輸入額が18.4%増の745億4530万米ドル、貿易収支が9億4400万米ドルの赤字だった。