【亜州ビジネス編集部】
工業省工業経済事務局(OIE)の4月28日発表によると、2022年3月の鉱工業生産指数(MPI、16年=100)は109.3となり、前年同月比で0.1%低下した。前年割れは7カ月ぶり。幅広い品目で前年同月を下回った。季節調整済み前月比では0.8%低下だった。
米S&Pグローバル傘下の調査会社IHSマークイットはタイの3月の生産活動について、ウクライナ情勢の悪化に伴う物流停滞や原燃料高の加速、新型コロナウイルスの感染拡大に起因する労働力不足といったマイナス要因があったと報告している。
3月のPMIは、指数の構成比が高い主要10品目のうち7品目で前年同月比マイナスだった。電機(7.0%低下)は電線やエアコン、小型家電など多くの品目で落ち込み、3カ月連続の前年割れ。ベースメタル(4.3%低下)では熱延鋼が30%を超える上昇だったものの、冷延鋼や建材類が落ち込んだ。電子(3.4%低下)はハードディスク駆動装置(HDD)の下げが指数を押し下げる要因となった。ただ3月のHDD輸出額は6割増えている。
一方、自動車(1.9%上昇)と石油製品(17.5%上昇)、食品(3.2%上昇)はプラスを維持。自動車では1トンピックアップが伸びた。また、観光業が回復に向かう中、石油製品は航空燃料(102.9%上昇)の急伸が続いている。食品では砂糖や大豆油の上昇率が高かった。
同時に発表された3月の製造業設備稼働率は68.8%となり、前年同月から0.9ポイント低下。前月からは4.2ポイント上昇した。うち自動車の稼働率は77.6%で、19年5月以来の高水準となった。前年同月比で0.2ポイント上昇、前月比で2.1ポイント上昇だった。