【亜州ビジネス編集部】
米S&Pグローバル傘下の調査会社IHSマークイットが5日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2022年4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.8となり、景気拡大と悪化の分かれ目である50を7カ月連続で上回った。
前月から1.1ポイント上昇。ミャンマーが1年8カ月ぶりに50超となり、調査対象の全7カ国で“景気拡大”となった。各国で新規受注が拡大し、ベトナムを除く6カ国で指数が前月を上回った。
ミャンマーはクーデター後の21年3月に27.5まで低下していたが、その後は上昇基調にある。新規受注に加え、生産高や雇用などが改善した。マレーシアは2カ月ぶりに50を超過。前月は新型コロナウイルスの感染拡大で新規受注の指数が低下していたが、4月は同指数が8年ぶりの高水準に達した。ただ、人手不足で雇用が急速に悪化している。
フィリピンの指数は4年5カ月ぶりの高水準を記録した。新型コロナ対策の緩和を受け、新規受注、生産高とも拡大が続いている。タイは需要の回復で生産高が増え、購買活動も活発化した。インドネシアは雇用の指数が調査開始以来の最高となった。ベトナムは新型コロナ感染数の減少で生産高や雇用が改善した一方、中国の新型コロナ感染拡大を受けて原材料の輸入が滞り、指数を押し下げる要因となった。
IHSマークイットは今回の結果について、ASEANの製造業は新型コロナからの回復が続いており、企業は今後の生産見通しについても楽観していると説明した。ただ、物流遅延やコスト高、中国の新型コロナ感染拡大、ウクライナ情勢の悪化などの懸念材料が残るとしている。