【亜州ビジネス編集部】
貿易産業省が25日発表した2022年第1四半期の実質国内総生産(GDP、確定値)成長率は前年同期比3.7%となり、4月に発表した速報値の3.4%より0.3ポイント高かった。ただ、新型コロナウイルス流行の反動が一服し、21年第4四半期の6.1%からは減速している。一方、同省は22年通期の成長率予想を3.0〜5.0%に据え置いたものの、ウクライナ情勢の悪化や中国の新型コロナウイルス規制強化を受けてレンジの下方(3.0〜4.0%)にとどまる可能性が高いとしている。
第1四半期の成長率を産業別にみると、宿泊サービス(マイナス13.5%)を除きプラスだったが、ほとんどの産業で前四半期から伸びが鈍化した。製造業は7.1%で、前四半期の15.5%から減速。半導体や精密機器などが堅調だった一方、化学品やバイオが落ち込んだ。建設は2.1%。官民ともに建設事業は活発化しているが、前四半期の2.9%から伸びが鈍化した。
サービス業では不動産が8.5%、情報・通信が8.2%、プロフェッショナルサービスが8.1%と高い伸びだったが、前四半期からはいずれも鈍化した。
全体のGDP成長率は季節調整済み前四半期比でプラス0.7%となり、3四半期連続でプラス。ただ前四半期の2.3%から減速した。産業別では製造業がマイナス0.2%に低下。宿泊サービスはマイナス23.9%と大きく落ち込んだ。一方、建設は3.2%のプラスに転じた。