【亜州ビジネス編集部】
新型コロナウイルスの新規感染者が減少する中、上海市はロックダウン(都市封鎖)を緩和し、経済・社会活動の回復を図る構えだ。同市の呉清・副市長は29日の記者会見で、優先的に操業再開を認める「ホワイトリスト」制度を6月1日付で廃止すると発表。これはつまり、全ての製造企業が6月から操業を再開できることを意味する。このほか、同日付で外出制限も緩和し、72時間以内のPCR陰性証明があれば公共交通機関を利用できると説明した。香港経済日報など複数メディアが伝えた。
市政府はさらに、経済支援に関する8分野50項目の措置を発表。うち企業のコスト削減策として、◆水道、電気、天然ガス使用料金に対する補助金支給、◆製造業、科学研究・技術サービス、交通運輸・郵政など6業種に対する税金還付の拡大――などを実施する方針を明らかにした。
雇用に関しては、外食や小売、観光などコロナ禍の影響が大きい業種で、リストラを行わなかった企業に対し、1人当たり600人民元(1社当たり上限300万人民元)の補助金を支給する構え。また、3カ月以上失業している人や新卒生を採用した企業には、1人当たり2000人民元の補助金を支給する方針とした。
このほか、消費刺激については、乗用車購入税を減免するほか、電気自動車(EV)購入者に1台当たり1万人民元の補助金を支給する(22年12月31日まで)。また、補助金を支給する形で家電の買い替え、グリーン家電・スマート家電の購入支援キャンペーンを実施する計画とした。