【亜州ビジネス編集部】
米S&Pグローバル傘下の調査会社IHSマークイットが2日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2022年5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.3だった。景気拡大と悪化の分かれ目である50を8カ月連続で上回ったものの、前月からは0.5ポイント低下。中国の都市封鎖に伴う部材調達難や、コスト高などが生産活動の重しとなり、調査対象7カ国のうち5カ国で指数が前月を下回った。
全体では生産高や新規受注が前月から減速。物流遅延で原材料の調達が困難になり、コストの上昇ペースは過去3番目に高い水準となった。一方、雇用は2カ月連続で50を上回った。今後1年間の業況見通しについては、楽観する見方が依然として優勢となっている。
国別の指数は、ベトナムのみ前月から上昇。新型コロナウイルス禍からの経済回復で生産高や新規受注が加速し、購買活動や雇用も活発化した。
タイは前月から横ばい。生産高の拡大ペースが加速したものの、物価高で需要が伸び悩み、雇用も低調だった。
他の5カ国は前月を下回った。インドネシアやマレーシアは物流遅延の影響などで生産高が減少。フィリピンの指数は高水準ながら、中国の都市封鎖の影響で外需が低調だった。