【亜州ビジネス編集部】
シンガポール統計局が23日発表した2022年5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で5.6%だった。前月(5.4%)から加速し、11年11月以来、10年6カ月ぶりの高水準を記録。食品や燃料など幅広い品目で前月の伸びを上回った。民間道路輸送(18.5%)と住居(4.0%)を除くコア指数の上昇率は3.6%に拡大し、08年12月以来の大きさとなった。
民間道路輸送は前月(18.3%)からやや加速。自動車(22.2%)が前月の伸びを下回った一方、燃料(30.1%)が少なくとも15年1月以降で最も高い伸びとなった。食品(4.5%)は卵が高水準で推移しているほか、肉や魚の伸びが加速。ほか、電気(21.8%)は2カ月連続で20%を超える伸びとなった。
シンガポール金融管理局(MAS)と貿易産業省は、22年のCPI上昇率を4.5〜5.5%、コア指数を2.5〜3.5%と予測し、前月から据え置いた。年末にかけて減速する見通しだが、ウクライナ情勢の悪化や世界的な物流停滞などで上振れの可能性もあると指摘している。