【亜州ビジネス編集部】
米S&Pグローバル傘下の調査会社IHSマークイットが1日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2022年5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.0だった。景気拡大と悪化の分かれ目である50を9カ月連続で上回ったものの、前月を0.5ポイント下回り、2カ月連続で減速。生産高や受注が伸びる一方、物流停滞・コスト高を背景に調達を減らす動きが広がり、原料や半製品の在庫が縮小した。
調査対象7カ国のうち5カ国で指数が前月を下回った。タイ(50.7)は2カ月連続で減速。原燃料高の影響で受注が縮小し、コスト削減のため雇用も悪化した。インドネシア(50.2)は受注が引き続き拡大基調にあるものの、前月からは減速した。
ベトナム(54.0)とフィリピン(53.8)も指数が前月から低下した。ただ、両国とも生産高の拡大を背景に高水準を維持。ベトナムでは雇用も改善しており、新規雇用創出の指数は過去3年半で最高だった。マレーシア(50.4)は原燃料の高騰や中国の都市封鎖の影響があったものの、新規受注の拡大などで全体の指数は小幅に上昇した。