【亜州ビジネス編集部】
商務省の1日発表によると、2022年5月の輸出額は前年同月比10.5%増の255億900万米ドルだった。前年同月を上回るのは15カ月連続。価格が上昇している石油製品が急伸したほか、ウクライナ情勢の悪化で需要が高まったコメやキャッサバなど農産物が大きく伸びた。輸入は燃料の増加などで24.2%増の273億8320万米ドルに拡大。貿易収支は2カ月連続の赤字となり、赤字幅は18億7420万米ドルだった。
輸出は7割超を占める主要工業製品が4.2%増と低調だった一方、2割を占める農産物・加工品が25.8%増加。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は11.1%増だった。バーツ安の進行も輸出を押し上げる要因となっており、バーツ建ての輸出額は19.3%増だった。
工業製品のドル建て輸出では、1トンピックアップトラックが16.9%減となり、これを含む車両・部品は3.2%減と前年割れが続いている。電子製品はハードディスク駆動装置(HDD)の落ち込みで2カ月連続のマイナスだった。一方、価格が上昇している鉄鋼建材が27.9%増と大きく拡大した。農産物・加工品では輸出量ベースで、コメと砂糖がそれぞれ4割増、キャッサバが倍増。ほかに輸出額でツナ缶が1.5倍に増えた。
輸出先国別では、最大の米国向けが29.2%増、2番目に大きい中国向けが3.8%増、3番目の日本向けが6.2%増。日本向けは2カ月ぶりのプラスで、電話機や家電、鉄・鉄鋼製品などがけん引した。
輸入額は、燃料に含まれる天然ガスが2.8倍、原油が1.7倍に増え、原材料・半製品や消費財は2桁増だった。一方、車両・部品は引き続き前年割れ。供給不足、物流停滞の影響が続く自動車部品が3割落ち込んだ。
1〜5月の累計は、輸出額が前年同期比12.9%増の1226億3180万米ドル、輸入額が20.2%増の1273億5830万米ドル、貿易収支が47億2640万米ドルの赤字だった。