【亜州ビジネス編集部】
商務省が5日発表した2022年6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比で7.7%だった。原油や食品の値上がりを受け、前月(7.1%)から伸びが加速。08年7月以来、13年11カ月ぶりの高水準となった。同省は第3四半期も高い伸びが続くと予測。ただ、年間のインフレ率予測は4.0〜5.0%に据え置いた。
品目別では運輸・通信(14.8%)に含まれる車両用燃料(39.5%)の伸びが加速し、CPI上昇分の6割に寄与。燃料の値上がりでバイクタクシーや運河船など公共交通の運賃(2.4%)も上昇幅が拡大した。食品(6.4%)ではコスト高で生鮮肉(27.3%)や油脂(29.9%)、生鮮海産魚(10.6%)が2桁の上昇。原燃料高・輸送費上昇の影響は幅広い品目に波及しており、振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数は2.5%と、12年3月以来、10年3カ月ぶりの高さとなった。
同省は第3四半期の動向について、物流の混乱やウクライナ危機の長期化などで商品・サービスのコスト高が継続し、輸入品の価格が上昇すると指摘。また、国内経済の回復による需要の拡大もあって高インフレが続くとの見方を示した。一方、22年のCPI上昇率予測は4.0〜5.0%に据え置いた。状況に変化があれば見直すとしている。