【亜州ビジネス編集部】
シンガポール統計局が25日発表した2022年6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で6.7%だった。前月(5.6%)から加速し、08年9月以来、13年9カ月ぶりの高水準を記録。食品や燃料など幅広い品目で前月の伸びを上回った。民間道路輸送(21.9%)と住居(4.2%)を除くコア指数の上昇率は4.4%に拡大し、08年11月以来の大きさとなった。
民間道路輸送は前月(18.5%)から加速。燃料(35.8%)が少なくとも15年1月以降で最も高い伸びとなったほか、自動車(25.7%)やバイク(8.7%)も前月を上回った。食品(5.4%)では、マレーシアが鶏肉輸出を禁止する中で冷蔵鶏肉(31.3%)が急伸。また、卵(24.9%)が引き続き高水準だった。ほか、電気(22.0%)は2カ月連続で20%を超える伸びとなった。
シンガポール金融管理局(MAS)と貿易産業省は、22年のCPI上昇率を5.0〜6.0%、コア指数を3.0〜4.0と予測し、6月下旬時点の予測からいずれも0.5ポイント上方修正した。コモディティー価格の上昇や国内需要の回復で輸入品の価格上昇圧力が増していると指摘した。