【亜州ビジネス編集部】
インドネシア中央統計局は5日、2022年第2四半期の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比で5.44%だったと発表した。5四半期連続のプラスで、前四半期の5.01%から伸びが加速。輸出や個人消費が堅調だった。
成長率を支出別にみると、政府支出(マイナス5.24%)を除く各項目でプラス。原油や石炭などの価格上昇で輸出が19.74%と大きく伸び、前四半期を上回った。GDPの5割を占める個人消費は5.51%と堅調で、前四半期(4.34%)から伸びが加速。設備投資などの総固定資本形成は3.07%のプラスだった。
産業別にみると、教育など2部門を除き全てプラス。倉庫・運輸サービスが21.27%で最も伸び、前四半期の15.79%からさらに加速した。製造は4.01%。建設は1.02%の小幅なプラスだった。
第2四半期の成長率は前四半期比(季節調整前)で3.72%。前四半期のマイナス0.95%からプラスに転じた。支出別では政府支出が32.00%と大幅に拡大。個人消費は2.42%のプラス、固定資本形成はマイナス3.66%だった。産業別では建設(マイナス6.05%)を除きプラスで、製造は0.04%の微増だった。
上期は5.23%成長
22年上半期のGDP成長率は前年同期比5.23%。支出別では、政府支出(マイナス6.27%)を除き全てプラスで、輸出が18.26%、個人消費が4.93%、総固定資本形成が3.59%と堅調に伸びた。産業別では教育など2部門を除きプラスで、運輸・倉庫サービスが18.56%と最も伸びた。製造は4.54%だった。
なおインドネシア中央銀行は4月、22年の国内総生産(GDP)成長率を従来の4.7〜5.5%から4.5〜5.3%に下方修正。インフレや地政学的リスクの高まり、またこれらを背景に世界経済の成長が想定より鈍ることなどが原因とした。中銀は景気を後押しするため、20年12月から政策金利(7日物リバースレポ金利)を過去最低の3.50%に維持している。