【亜州ビジネス編集部】
商務省が5日発表した2022年7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比で7.6%だった。高水準で推移しているものの、原油高が一服したことで前月(7.7%)からは伸びがやや減速。ただ、食品の高騰を受け、コア指数は3.0%と、08年7月以来、14年ぶりの高さとなった。同省は年間のインフレ率予測を5.5〜6.5%(平均6.0%)に上方修正した。
コア指数は、CPIから振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除いたもの。非生鮮食品(8.3%)は含まれており、前月(7.0%)から伸びが加速して指数を押し上げる要因となった。食材や燃料の価格上昇を背景に調理済み食品や外食が顕著に値上がりした。
生鮮食品(7.8%)も前月(5.9%)を上回る上昇率で、うち生鮮肉類(28.1%)は近年にない伸びを記録。また、天候不順による不作の影響で生鮮野菜(8.0%)が前月(1.5%)を大きく上回った。
食品以外では電気(62.7%)が急伸。前年同月に補助金で抑えられていた反動が出た。電気や水道を含む住居(8.4%)は4カ月連続で伸びが加速した。一方、車両用燃料(26.3%)は高水準が続くものの、前月(39.5%)からは伸びが縮小している。
1〜7月のCPI上昇率は5.9%だった。同省は8月も幅広い品目で値上がりが続くと予測。コストの上昇や国内消費の拡大に加え、前年同月に指数が低水準だったことも、上昇率を押し上げる要因となるとの見方を示した。22年のCPI上昇率予測は5.5〜6.5%と予測し、前月までの予測の4.0〜5.0%から引き上げた。08年の5.5%を上回り、1998年の8.0%以来の高水準に達する可能性があるとみている。