【タイ】対中輸出拡大の好機に、台湾への経済制裁で=商務相

【亜州ビジネス編集部】

チュリン副首相兼商務相は5日、中国政府が台湾からの輸入を一部停止したことを受け、食品・飲料の中国向け輸出拡大の好機になるとの見方を示した。台湾の代わりにタイが輸出できる品目の調査を商務官に指示。即席麺や冷凍鮮魚、果物などの輸出を増やせると見込む。同日付クルンテープ・トゥラキットなどが伝えた。

中国の海関総署(税関)は3日、台湾からのかんきつ類やタチウオなどの輸入を同日付で一時停止すると発表した。同時に、天然砂の台湾への輸出も停止。ペロシ米下院議長の訪台に対する経済制裁とみられている。

タイ商務省は、今月24〜25日にオンライン商談会を開催する。タイの輸出企業150社と、中国と香港の輸入企業200社が参加を予定しており、輸出拡大に弾みがつくと見込む。

一方、タイ荷主協議会(TNSC)は、中国が天然砂の台湾への輸出を停止したことについて、半導体の生産に影響が出て、タイの自動車生産を遅らせる要因になる可能性があるとして懸念を示した。バーツ安などを背景に、2022年のタイの輸出額の予測を前年比6〜8%増に上方修正したばかりだが、先行き不透明な状況になり始めたと指摘。今後の動向を注視する必要があるとの見方を示した。


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