【タイ】中銀が3年8カ月ぶり利上げ、インフレ抑制へ

【亜州ビジネス編集部】

タイ中央銀行は10日、定例の金融政策決定会合の結果、過去最低水準としていた政策金利(翌日物レポ金利)を0.25ポイント引き上げ、0.75%にすると発表した。利上げは2018年12月以来で、3年8カ月ぶり。インフレ率が14年ぶりの高水準となる中、経済の回復基調を確認した上で利上げに踏み切った。


委員7人のうち6人が0.25ポイントの利上げ、1人が0.50ポイントの利上げに票を投じた。新型コロナウイルス禍からの経済回復に向けた過度な緩和姿勢は以前ほど必要ない一方、インフレを抑制する段階に来たとして段階的に利上げする必要があると判断した。7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比7.6%で、08年7月以来、14年ぶりの高さとなっている。

中銀は、入国規制の緩和によって予想よりも多くの外国人観光客が来訪していると指摘。また労働市場の改善により所得が回復し、個人消費も上向いているとした。22年の国内総生産(GDP)予想は3.3%としているが、ロイター通信によると、中銀のピティ・ディスヤタット総裁補は、9月にも上方修正する可能性があると述べている。

インフレについては、22年は中銀の目標レンジである1〜3%を大きく上回ると予想。ただ供給サイドの問題が解消すれば、23年にはレンジ内に戻るとみている。

経済調査会社キャピタル・エコノミクスのアナリストは、中銀の見通し通りにインフレが抑制されていけば、政策金利は徐々に引き上げられ、23年には1.5%に達すると話している。


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