【タイ】2QのGDP2.5%増に加速、個人消費が回復

【亜州ビジネス編集部】

国家経済社会開発委員会(NESDC)が15日発表した2022年第2四半期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で2.5%増だった。プラス成長は3四半期連続で、前四半期の2.3%増から伸びが加速。新型コロナウイルス対策の緩和で個人消費が回復した。一方、外需の減速などで輸出が伸び悩み、製造業の生産額は3四半期ぶりに前年を割り込んだ。同委は年間のGDP成長率予測を2.7〜3.2%とし、3カ月前の前回予測(2.5〜3.5%)からレンジを狭めた。


第2四半期の個人消費は6.9%増に加速し、消費額は新型コロナ流行前の19年第2四半期も上回った。外国人観光客の増加や雇用の改善、農産物価格の上昇による農家の収入増が消費拡大に寄与。物価高の影響がみられたものの、サービスの消費額が大きく伸びた。

一方、民間投資は2.3%増と、前四半期を下回る伸び。バーツ安やコスト高で機械の生産・輸入が低調だった。輸出は8.5%増で、前四半期まで続いていた2桁増から伸びが縮小。ウクライナ危機や中国のゼロコロナ政策に起因する外需の減速、物流の停滞を受け、工業製品の輸出が伸び悩んだ。サービス輸出は54.3%増と大幅な伸びが続いている。

GDPを生産面から見ると、製造業が0.5%減となり、小幅ながら3四半期ぶりのマイナス。主力の自動車は国内販売のけん引で生産が拡大したものの、電気・電子や機械など幅広い業種で落ち込んだ。一方、観光客数の増加に伴い宿泊・食品サービスは44.9%増に伸びが加速した。ただ、生産額は依然として新型コロナ流行前を2割ほど下回る水準にとどまっている。

第2四半期の結果を受け、同委は22年通期のGDP成長率予測を2.7〜3.2%に修正した。個人消費は上半期に予想以上の伸びだったとし、年間予測を4.4%に上方修正。一方で世界経済の減速懸念から、民間投資や輸出量の予測を下方修正した。インフレ率は前回予測(4.2〜5.2%)を上回る6.3〜6.8%としている。


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