【亜州ビジネス編集部】
シンガポール統計局が25日発表した2022年7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で7.0%だった。前月(6.7%)から加速し、08年6月以来、14年1カ月ぶりの高水準を記録。自動車の伸びが少なくとも15年1月以降で最高となったほか、食品など幅広い分野で前月を上回る伸びだった。民間道路輸送(22.2%)と住居(4.6%)を除くコア指数の上昇率は4.8%に拡大し、08年11月以来の大きさとなった。
自動車(29.4%)は車両購入権(COE)の発行枠が絞られる中で2桁上昇が続いている。バイク(13.0%)も前月から伸びが加速。ガソリン(21.8%)の伸びは鈍化したものの、航空運賃(14.0%)の上昇もあり、これらを含む輸送(19.0%)は1980年7月以来、42年ぶりの高さとなった。
ほかに食品(6.1%)は5カ月連続で伸びが拡大し、電気(26.4%)も大幅上昇が続いている。一方、通信サービスの値下がりで通信(マイナス1.3%)は13カ月連続の前年割れとなった。
シンガポール金融管理局(MAS)と貿易産業省は今後の動向について、海外の経済回復で輸入品の価格上昇圧力が残る上、国内では原燃料コストの上昇などが物価を押し上げる要因になると指摘。コア指数は年末まで高水準で推移するとの見方を示した。22年の予測はCPI上昇率を5.0〜6.0%、コア指数を3.0〜4.0とし、7月下旬時点の予測から据え置いた。1〜7月の平均はそれぞれ5.5%、3.4%だった。