【亜州ビジネス編集部】
ジョコ大統領は23日、未加工のボーキサイトやスズなどの輸出を禁止する方針を改めて示した。具体的な実施時期は示さなかったが、間近に迫っているとした上で、即時撤廃されても支障がないよう準備を整える必要があると強調した。ジャカルタグローブが同日伝えた。
未加工鉱石の輸出禁止は、製錬所など川下への投資促進の他、付加価値を高めることで輸出額を拡大する狙いがある。2020年に初めてニッケルが対象となった。政府は22年にボーキサイト、23年に銅、24年にスズの未加工輸出を禁止する検討に入ったと伝えられているが、ジョコ大統領は今回、「いつ禁止しても驚くべきではない」と述べ、精錬所などの準備を進めるよう促した。
なおニッケルの輸出額は、未加工輸出が認められていた時期には年間11億米ドルほどだったが、禁止後の21年には20億8000万米ドルと18倍に跳ね上がった。ジョコ大統領は、電池などの生産が進めば35億〜40億米ドルにも達するとの見通しも示した。また収支改善により、今年は対中貿易が黒字化する見通しも出てきたとしている。
ジョコ大統領は、今後未加工輸出が禁止されるボーキサイトなどの鉱石業者に対し、自社で精錬所などの建設が難しい場合は外資と組むべきと指摘。日本や中国、韓国、欧州などの企業による投資への関心は高まっていると説明した。