【亜州ビジネス編集部】
タイ商工会議所大学（UTCC）経済ビジネス予測センターは25日、消費者を対象に実施した家計債務の調査結果を発表し、1世帯平均の家計債務が50万1712バーツに拡大したことを明らかにした。新型コロナウイルス流行を背景に借り入れが増え、過去最高額となった。所得減に直面し、債務を抱える世帯の割合が99.6％に達したことなどが要因と分析している。同日付クルンテープ・トゥラキットなどが伝えた。
全国1350人の回答を集計した。1カ月当たりの平均返済額は1万2802バーツ。回答者の大半は世帯収入が月5万バーツ以下で、債務を延滞したことがある世帯の割合は65.9％に上った。借入先の割合は、金融機関が78.9％、闇金などインフォーマルセクターが21.1％を占めた。債務を抱える世帯の割合は、新型コロナ流行前の2019年が88.1％、20年が90.7％だった。
22年第1四半期末の家計債務の対国内総生産（GDP）比は89.2％だった。21年第1四半期末（90.9％）をピークに低下傾向にあり、5年後にはGDPの拡大とともに、新型コロナ流行前と同じ80％の水準に低下すると同センターは予測している。
