【亜州ビジネス編集部】
盤谷日本人商工会議所(JCC)が8月30日発表した「日系企業景気動向調査」によると、2022年下半期の業況感指数(DI)の見通しは29となり、上半期見通しの26を上回った。新型コロナウイルス禍から回復傾向にある。ただ、半導体不足や原料・輸送コストの上昇がDIを下押しする要因になっている。
調査はJCC会員企業を対象として半年ごとに実施。景況や財務状況などについて質問するもので、1971年から続いている。今回は5月10日〜6月8日に548社から回答を得た(回答率は34%)。DIは前期に比べ業況が「上向いた・上向く」と回答した企業の割合から「悪化した・悪化する」と回答した企業の割合を差し引いた値。20年上半期に新型コロナの影響で過去3番目のマイナス幅を記録したものの、その後は回復傾向にある。
22年下半期のDIは、製造業が23、非製造業が34。全14業種がプラスとなり、製造業では繊維や機械、非製造業では小売りや建設・土木が高かった。
製造業の設備投資に関する質問では、22年度に「投資増」を見込む企業が40%に達し、前回調査の35%から上昇。「投資減」を見込む企業は17%、「横ばい」は33%で、ともに割合が低下した。
原燃料の高騰・不足の影響については、「ある程度のマイナスの影響が出ている」が55%、「大きなマイナスの影響が出ている」が29%と割合が大きかった。販売価格への転嫁については、◆一部転嫁できている=48%◆どちらとも言えない=29%◆ほぼ転嫁できている=11%◆全く転嫁できない=11%――との回答が得られた。