【亜州ビジネス編集部】
米S&Pグローバル傘下の調査会社IHSマークイットが5日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2022年8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.3だった。景気拡大と悪化の分かれ目である50を11カ月連続で上回り、前月(52.2)からは0.1ポイント上昇。生産高や新規受注の拡大ペースが加速した。
同社によると、域内製造業は足元で緩やかな成長が続いており、雇用や在庫も改善傾向にある。また、8月はインフレや物流停滞の影響が前月に比べ緩和。サプライヤー納期の長期化の度合いは過去23カ月で最も緩やかだった。
国別では7カ国のうちタイ(53.7)など4カ国で指数が前月から上昇した。タイは国内需要の拡大を背景に生産高や新規受注が高水準だった。ただ、インフレ圧力が強まっており、高水準の生産を今後も維持できるかは不透明という。ベトナム(52.7)は生産高や新規受注、雇用がハイペースで拡大。また、サプライヤー納期が2年9カ月ぶりに短縮化し、インフレも弱まっている。
一方、マレーシア(50.3)は前月を0.3ポイント下回った。受注が伸びる一方で生産高の拡大ペースが3カ月ぶりに減速した。原料高や人手不足の影響が出ている。