【亜州ビジネス編集部】
政府は軽油の物品税を5バーツ引き下げる措置を11月20日まで2カ月延長する。13日に閣議承認した。9月20日までの予定だったが、企業や消費者の負担を軽減するため延長を決めた。財務省の発表によると、今回の延長で200億バーツの税収減となる見通し。
原油高を背景とする製造業の生産・物流コスト上昇などを受け、政府は2月18日に軽油物品税の減税を開始。5月20日までの3カ月間は3バーツ引き下げ、同月21日以降は引き下げ額を5バーツに拡大した。当初は7月20日までの予定だったが、同月の閣議で9月20日まで2カ月延長することを決めていた。今回は再延長となる。
政府は4月末まで、減税と補助金拠出で軽油の小売価格を1リットル30バーツ未満に抑えていた。5月以降は補助金が減額され、9月14日時点で軽油価格は34.94バーツまで上昇している。
一方、政府は同日の閣議で、発電用の軽油と重油の物品税を免除する措置を来年3月15日まで6カ月延長することも承認した。電気料金の抑制につなげる。今回の延長で14億3600万バーツの税収減となる見通し。
■家庭の電気代を割り引き
同日の閣議では、家庭の電気料金を9〜12月に割り引くことも決めた。同期の電気料金が過去最高水準に上昇したことを受け、消費者の負担を軽減する。1カ月の使用量が500キロワット時(kWh)以下の家庭を対象とし、2147万人が恩恵を受ける見通し。4カ月で91億2841万バーツが減額されると見込む。使用量が少ないほど割引率が高くなり、最大で約2割の引き下げとなる。