【タイ】8月の工業生産15%増、自動車が3年ぶり高水準

【亜州ビジネス編集部】

工業省工業経済事務局(OIE)の発表によると、2022年8月の鉱工業生産指数(MPI、16年=100)は99.3となり、前年同月比で14.5%上昇した。前年同月を上回るのは2カ月連続。前年同月は厳格な新型コロナウイルス対策の影響や半導体不足による自動車の減産で落ち込んでいたため、反動で大幅に上昇した。半導体不足が改善に向かったことで、車両とエンジンを含む自動車の指数は109.3まで上昇し、19年5月以来、3年3カ月ぶりの高水準となった。


自動車(63.4%上昇)は1トンピックアップトラック(89.5%上昇)、乗用車(32.5%上昇)、エンジン(48.4%上昇)がそろって大きく伸びた。8月の自動車生産は64.9%増の17万1731台となり、新型コロナ流行前の19年8月も上回っている。自動車以外では飲料(11.9%上昇)がプラスを回復。前年同月に夜間外出禁止令でビールなどの生産が落ち込んだ反動があった。食品(13.2%上昇)は鶏肉や砂糖、調理油などの生産が拡大。電機(4.1%上昇)は車載電池のけん引で8カ月ぶりにプラス転換した。

一方、電子(3.3%低下)は7カ月連続の前年割れ。主力のハードディスク駆動装置(HDD)で3割前後の低下が続いている。ベースメタル(13.3%低下)は9カ月連続のマイナスで、鋼管がプラス転換したものの、鋼板と条鋼がマイナス。鋼板では熱延鋼と冷延鋼、亜鉛メッキ鋼が引き続き2桁の落ち込みだった。

同時に発表された8月の製造業設備稼働率は63.8%となり、前月から3.0ポイント上昇、前年同月からは7.5ポイント上昇した。うち自動車の稼働率は82.1%と、20年11月以来の高水準。前月比で13.1ポイント上昇、前年同月比では32.8ポイント上昇だった。


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