【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2022年8月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比77.1%増の40万5432台だった。前年同月を上回るのは18カ月連続。部品不足の改善や各国での販売増を追い風に、新型コロナウイルス流行前の19年8月(35万3605台)も上回った。インドネシアとマレーシアでは過去最多を更新した。
前年同月に新型コロナ対策の影響で低迷していたため、反動で伸び率が高かった。インドネシアの生産台数は36.6%増の13万9120台。自動車展示・販売会が開催されたことで国内販売が好調だったほか、完成車の輸出台数が2.3倍の4万3710台に拡大した。マレーシアは減免税措置が6月末に終了し、駆け込み需要が発生。年末までの納車分に適用されるため、各社が受注残の解消を進めている。同国とベトナムは前年同月にロックダウン(都市封鎖)で工場が停止した反動があり、伸び率が大きかった。
タイは大きく拡大
タイも前年同月に部品不足と活動制限で落ち込んだ反動で生産・販売とも大きく拡大。生産では1トンピックアップトラックが9割増となり、生産台数全体の7割近くを占めた。
8月の域内7カ国の新車販売台数は71.8%増の29万6498台。主要各国で国内消費の回復を背景に販売が上向き、生産台数と同様に19年8月(28万3055台)も上回った。
1〜8月の域内全体の生産台数は28.2%増の280万4386台。新型コロナ前の19年1〜8月(280万1048台)をやや上回る水準まで回復した。販売は31.3%増の220万6605台で、19年1〜8月(226万8608台)を下回っている。