【亜州ビジネス編集部】
商務省が7日発表した2022年10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で6.0%だった。前月(6.4%)を下回り、2カ月連続で伸びが縮小。5月以降で最低となった。食品が高水準で推移する一方、燃料価格の伸び鈍化が続いている。
ただ、家庭用品や公共交通などの幅広い品目で値上がりが加速し、振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数は3.2%と、前月(3.1%)からやや上昇した。
食品・非アルコール飲料(9.6%)は、洪水の影響で野菜が高騰したほか、卵や油脂が引き続き2桁上昇だった。
ただ、約11年ぶりの高水準だった前月(9.8%)からは低下。統計局は、豚肉や鶏肉の供給不足が解消に向かっていると説明した。食品以外では、運輸・通信(4.8%)に含まれる車両用燃料(11.2%)が4カ月連続で減速。21年2月以来の低さとなった。
1〜10月のCPI上昇率は前年同期比6.2%だった。同省は11月もインフレが緩和に向かうと予測。政府の支援策などで生活必需品の値上がりが鈍化するほか、洪水が収まって農産物の出荷が増えると見込む。一方で原油価格や通貨バーツの動向を注視する必要があるとし、22年通期のCPI上昇率の予測は5.5〜6.5%に据え置いた。08年の5.5%を上回り、1998年の8.0%以来の高水準に達する可能性があるとみている。