【亜州ビジネス編集部】
工業省工業経済事務局(OIE)の11月30日発表によると、2022年10月の鉱工業生産指数(MPI、16年=100)は93.9となり、前年同月比で3.7%低下した。
前年同月を下回るのは4カ月ぶり。
海外の景気減速で10月の輸出額が20カ月ぶりの前年割れとなる中、多くの品目で生産が落ち込んだ。設備稼働率も低下し、10月としては大洪水があった11年以来の低水準となった。
主要10品目では6品目がマイナス。化学(16.1%低下)の下げ幅が大きく、肥料が半減したほか、輸出が低迷しているプラスチックが2割の下落となった。電機(10.6%低下)は3カ月ぶりのマイナスに転落。電子レンジや電気ポットで2桁の落ち込みが続いている。
ベースメタル(10.8%低下)は鋼管が横ばいだったものの、鋼板と条鋼が2桁の低下となった。鋼板では冷延鋼が3割下げた。電子(10.8%低下)は9カ月連続の前年割れで、前月から下げ幅が拡大。主力のハードディスク駆動装置(HDD)の大幅な低下が続いている。
一方、自動車(9.9%上昇)はプラス成長を維持した。半導体不足が解消に向かっていることなどで、乗用車、1トンピックアップトラックとも堅調に伸びている。食品(2.7%上昇)ではパーム油や飼料が2桁の上昇だった。
同時に発表された10月の製造業設備稼働率は59.9%となり、前年同月比で3.2ポイント低下、前月比で3.4ポイント低下。10月としては11年ぶりに60%を割り込んだ。うち自動車の稼働率は81.0%で、前年同月から6.4ポイント上昇。ただ、前月比では3.6ポイント低下した。