【タイ】11月の物価上昇率5.6%、3カ月連続で減速

【亜州ビジネス編集部】

商務省が7日発表した2022年11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で5.6%だった。前月(6.0%)を下回り、3カ月連続で伸びが縮小。5月以降で最低となった。

洪水被害状況の改善に伴う生鮮野菜・果物の出荷増などで食品の伸びが減速した。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数は3.2%と、前月から横ばいだった。

食品・非アルコール飲料(8.4%)は、9月(9.8%)に約11年ぶりの高水準を記録した後、2カ月連続で減速。生鮮野菜(マイナス6.9%)は前年同月に急伸していた反動もあり、10カ月ぶりに落ち込んだ。ほか、豚肉や調理油なども前月の伸びを下回った。一方、非食品・飲料(3.6%)は前月から横ばい。運輸・通信(4.9%)に含まれる車両用燃料(11.6%)は、小幅ながら前月を上回り、5カ月ぶりに加速した。

1〜11月のCPI上昇率は前年同期比6.1%だった。同省は12月のCPI上昇率が11月と同水準で推移すると予測。国内消費の回復を背景に食品やエネルギーの高い伸びが続くとみている。一方、農産物の生産増や通貨バーツの上昇などがインフレを抑える要因になると見込む。22年通期のCPI上昇率の予測は5.5〜6.5%に据え置いた。08年の5.5%を上回り、1998年の8.0%以来の高水準に達する可能性があるとみている。


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