【亜州ビジネス編集部】
豊田通商は7日、ジャカルタ東郊で運輸省が整備を進める自動車認証試験場の設計・建設・保守事業に参画すると発表した。
海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)などと設立した合弁会社を通じて、2025年2月までに完工させる予定。国際連合の基準に適合した試験場が設置されることで、自動車輸出の円滑化が見込まれる。
10月に設立した合弁会社インドネシア・インターナショナル・オートモーティブ・プルービング・グラウンドが運輸省から委託を受けた。出資比率は豊田通商が20%、JOINが18%、現地パートナーが62%。JOINは最大14億円を出資する。保守事業は、完工後15年間にわたって手掛ける。
試験場は西ジャワ州ブカシ県に立地。2020年に制定された、自動車分野の東南アジア諸国連合(ASEAN)域内相互承認協定(ASEAN MRA)に基づき統一される国連基準に対応する。同様の試験場は域内初という。
現状でインドネシアから域内に輸出される自動車は、輸出先国で再び型式認証を取得する必要がある。一方、新たな試験場の完成後は、認証を得た車両が相手国で再認証を受ける必要がなくなるため、域内への自動車輸出の円滑化、競争力強化が見込まれる。
インドネシアではトヨタなど複数の日系自動車メーカーが現地生産し、各国への輸出も手掛けている。昨年12月には豊田通商が参画するパティンバン新港(西ジャワ州スバン)の自動車ターミナルの運営が始まったこともあり、輸出拡大が期待されている。