【亜州ビジネス編集部】
不動産開発業者が従業員の解雇を進めている。販売低迷により業績が落ち込んでいるためで、解雇しない場合でも減給するケースが増えている。VNエクスプレスが22日付で伝えた。
ホーチミン証券取引所(HOSE)上場のある不動産開発業者はこのほど、従業員の半数を解雇。残った従業員も30〜40%の減給とした。人員削減を受け、1人が2〜3人分の仕事をこなす状況となっている。最高経営責任者(CEO)は、1カ月分のボーナスを支給したいが、無い袖は振れないとしている。
別の建設・投資会社は今月、全てのポジションで来年3月までに人員を20〜35%削減すると発表。残った社員に対しても給与と賞与を減額する。取引先から売掛金を回収できず、現金が入らない状況という。同社はHOSEでも不動産業界で時価総額が上位3位に入る。経営難については、株主には書面で通知したとしている。
不動産市場はこのところ、高インフレや金利上昇、銀行貸し渋りなどを受けて低迷。ホーチミン市不動産協会のレ・ホン・チャウ会長は、業者が解雇など厳しい選択を迫られていると述べた。業界アナリストのフイン・フック・ギア氏は、政策変更の遅さもあだになっているとし、業者は向こう12カ月はキャッシュフロー改善に向けて物件を投げ売りすることも受け入れるべきとしている。