【亜州ビジネス編集部】
国営石油PTT傘下で石油販売・小売り事業を行うPTTオイル・アンド・リテールビジネス(PTTOR)は、ミャンマーの大手財閥カンボーザ・グループと同国で手掛ける石油貯蔵・卸売り事業を停止すると発表した。同事業への投資が、昨年2月のクーデターで政権を掌握したミャンマー軍による暴力や人権侵害に関連することを理由に挙げた。
PTTORは2019年6月、カンボーザ・グループと石油販売などの合弁事業を開始すると発表。35%を出資する合弁会社を通じて、国内最大となる石油貯蔵施設の建設を進めていた。だが、クーデター発生後、ミャンマー国軍の資金源になっているとの批判が強まったことで同事業を停止する方針を固め、人権の尊重を表明した。
25日付クルンテープ・トゥラキットなどによると、ノルウェーの政府系ファンドは、PTTとPTTORのミャンマー事業が同国の人権侵害を助長している可能性があるとして、両社を投資対象から除外すると発表していた。同国で天然ガス生産事業を手掛けるPTT傘下のPTTエクスプロレーション・アンド・プロダクション(PTTEP)も、ミャンマー国軍と関係のある企業と提携しており、同事業の収入が国軍の支援につながっていると非難されている。