【亜州ビジネス編集部】
ベトナム統計総局は29日、2022年の国内総生産(GDP)成長率が8.02%だったと発表した。新型コロナウイルス禍からの反動が大きく、ドイモイ(刷新)政策が打ち出された1986年以降で最低だった21年の2.58%から加速。国会目標の6.0〜6.5%を大きく上回った。特にコロナ禍の反動が大きかったサービス業で伸びた。
成長率を産業別にみると、第3次産業(サービス業)の成長率が9.99%で最も高く、21年の1.22%から加速。サービス業の中ではホテル・ケータリングサービスが40.61%で最も高く、新型コロナ関連規制緩和の影響が表れている。
第2次産業(製造・建設業)も7.78%と大きく伸び、前年の4.05%から加速。建設業が8.17%、製造業が8.10%と高い伸びを示した。第1次産業(農林水産業)の成長率は3.36%。農業が2.88%、林業が6.13%、水産業が4.43%だった。
名目GDPは9513兆3270億ドン(約53兆8000億円)で、前年から11.3%増加した。産業別の構成比は、製造・建設業が38.3%、サービス業が41.3%、農林水産業が11.9%だった。1人当たりGDPは4110米ドルで、前年から10.6%(393米ドル)増えた。
■4Qは減速
第4四半期のGDP成長率は前年同期比で5.92%となり、前四半期の13.71%からは減速した。コロナ規制が21年9月末に緩和されていたため、コロナ禍の反動が薄れた。
産業別にみると、サービス業が8.12%で最も高く、製造・建設業が4.22%で続いた。いずれも前四半期の2桁増からは伸びが減速した。一方、農林水産業は3.85%で、前四半期の3.69%から伸びが加速した。
政府は23年の経済成長目標を6.5%に設定。新型コロナ流行の反動が薄れるほか、世界的な景気後退の影響を受け、22年から減速するとみている。