【亜州ビジネス編集部】
2023年は固体電池の車載した新型車の発売が相次ぐ見込みだ。
多数の電池・完成車メーカーが技術開発レースを繰り広げている。うち合肥国軒高科動力能源(国軒高科)は2日、「半固体電池」ながらも安全性の高まる新技術を確立したと報告した。性能面に関しても、車載に適した水準に達しているという。中国経済網が6日に伝えた。
国軒高科の半固体電池は、エネルギー密度が360Wh/kg、電池パック容量が160KWhに上る。間もなく電気自動車(EV)製品に搭載される予定。搭載したEVは、航続距離1000km超を実現するという。
廃電池リサイクルを手掛ける格林美(GEM)は3日、自社の生産する正極材料前駆体に関し、固体電池の生産を可能にすると説明。需要に応じて量産計画を始動すると補足した。
このほか中国電池メーカーの寧徳時代新能源科技(CATL)、中創新航(中航リ電)、孚能科技、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)なども固体電池技術を開発したと相次ぎ発表した。カン鋒リ業の第1世代固体電池製品は、すでに「東風E70」に採用されている。2023年は「蔚来ET7」にも車載される予定だ。
インターネット大手も新規参入する。北京字節跳動科技(ByteDance)はこのほど、中国科学院物理所の呉凡氏が率いる研究チームと固体電池の新構造を共同開発したと発表。マイナス60度の環境下でも動作可能などと説明した。
一方、完成車メーカーでは、航続距離1000km超を狙う蔚来(NIO)、広汽埃安(Aion)、高合(HiPhi)などが新型固体電池の車載を計画している。