【亜州ビジネス編集部】
業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)は10日、2022年12月の乗用車小売台数が狭義ベース(マイクロバスを除く)で前年同月比3.0%増の216万9000台に拡大したと発表した。プラス成長は2カ月ぶり。前月比でも31.4%増加し、12月としては2008年以来の高い伸びを記録した。
「ゼロコロナ」政策の見直しが追い風となったほか、ガソリン車の購置税(車両取得税)減税の終了を前にした駆け込み需要が拡大。また、23年は春節(旧正月)連休が早いこともあり、需要が前倒しされた。末端価格引き下げの動きも需要を刺激したという。
車種別の12月小売台数は、セダンが前年同月比0.1%増の105万台、スポーツ用多目的車(SUV)が6.1%増の101万9000台、MPV(ミニバン)が3.4%増の10万台に上向いた。前月比ではセダンが30.6%増、SUVが31.6%増、MPVが38.3%増。マイクロバスを含む広義ベースでは、全体の小売台数が前年同月比2.4%増の219万3000台(マイクロバスは33.8%減の2万4000台)だった。
22年通年では、狭義ベースの小売台数が前年比1.9%増の2054万3000台。広義ベースでは1.6%増の2082万4000台だった。6月に導入された購置税減税が販売増につながった形(減税は12月末で終了)。6〜12月の販売台数は前年同期で145万2000台増加している。
メーカー別の12月国内小売ランキング(狭義ベース)は、比亜迪(BYD)が22万4000台で前月に続き首位。2位以下には、一汽大衆の18万台、重慶長安汽車の16万8000台、上汽大衆の14万4000台、吉利汽車の12万6000台、上汽通用の11万1000台、一汽豊田の10万2000台、広汽豊田の10万台、奇瑞汽車の8万2000台、上汽通用五菱の7万7000台が続いた。
一方、新エネルギー自動車(NEV)は好調が続く。NEV乗用車の卸売台数は、12月単月ベースで前年同月比48.9%増の75万台に拡大。前月比でも2.5%増加した。乗用車の新車販売(卸売)に占めるNEVの比率は33.7%となり、前年同月の21.3%から12.0ポイント拡大している。22年通年では、NEV乗用車の卸売台数が前年比96.3%増の649万8000台だった。
メーカー別のNEV乗用車の卸売台数では、14社が12月に1万台超を達成した(前月も14社)。BYDが23万4598台、上汽通用五菱が8万5632台、テスラ中国が5万5796台、吉利汽車が4万4550台、重慶長安汽車が3万9185台、上汽乗用車が3万685台、広汽埃安が3万7台、理想汽車が2万1233台、蔚来汽車が1万5815台、東風易捷特が1万2914台、奇瑞汽車が1万2506台、小鵬汽車が1万1292台、長城汽車が1万999台、賽力斯が1万180台だった。
23年の乗用車販売台数については、狭義ベースで2350万台に増加すると予想。うちNEV販売台数は850万台に達し、全体に占める比率が36.0%まで上昇するとみている。22年の同比率は27.6%だった。