【亜州ビジネス編集部】
商務省の24日発表によると、2022年の輸出額は前年比5.5%増の2870億6790万米ドルだった。新型コロナウイルス禍から経済が回復する中、過去最高額を2年連続で更新。電子製品や農産物の輸出が伸びた。輸入額は13.6%増の3031億9070万米ドルと、原油高の影響でこちらも過去最高額を記録。貿易収支は161億228億米ドルの入超で、14年以来、8年ぶりの貿易赤字となった。
輸出額は8割を占める主要工業製品が4.4%増、2割弱の農産物・加工品が8.8%増と、そろって拡大。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は4.7%増だった。
工業製品の輸出では、電子製品(5.0%増)や電気製品(3.9%増)がプラス成長。電子は半導体の伸びが大きく、電気はエアコンがけん引した。一方、半導体不足の影響があった車両・部品(2.2%減)は2年ぶりの前年割れ。ピックアップトラックなどが落ち込んだ。
輸出先国別では、全体の2割弱を占め最大の米国向けが13.4%増加。一方で、2番目に大きい中国向けは同国のゼロコロナ政策の影響があって7.7%減少し、3番目の日本向けは1.3%減だった。
輸入額は燃料(56.9%増)など大半の項目でプラスとなり、原油のほか、原材料・半製品に含まれる肥料や、消費財の飲料水・酒類などの伸びが大きかった。一方、車両・輸送機器(14.8%減)は自動車部品の落ち込みで前年割れとなった。
12月単月では輸出額が前年同月比14.6%減の217億1880万米ドル、輸入額が12.0%減の227億5270万米ドル、貿易収支が10億339万米ドルの赤字。輸出額の前年割れは3カ月連続となる。
中東向けなど強化へ
同省は今後の輸出について、中国のゼロコロナ政策解除がプラスに作用するものの、欧米など主要市場の経済減速が懸念されると指摘。また、米中対立やロシア・ウクライナ戦争などの地政学的な緊張が貿易や供給網に与えるリスクについても警戒感を示した。23年は中東や南アジア、近隣国への輸出促進に力を入れ、主要市場の低迷をカバーするとしている。