【亜州ビジネス編集部】
2023年の春節(旧正月)7連休を終え、中国自動車メーカーの一部が年間新車販売目標を相次ぎ打ち出している。
業界団体の中国汽車工業協会(CAAM)は、23年の国内新車販売に関し、前年比で約3%の伸びを達成すると見込んだ。22年の中国新車販売市場は、車載チップの不足、電力料金の高騰、原材料価格の乱高下に見舞われたにもかかわらずプラス成長を達成。全国で2.1%増の2686万4000台が全国で販売されている。毎日経済新聞が1月31日付で伝えた。
これまで年間販売目標を提示した中国車企業は、比亜迪(BYD)、第一汽車集団有限公司(China FAW Group )、東風公司(Dongfeng)、重慶長安汽車、吉利汽車(Geely)、長城汽車、広州汽車集団、上海汽車集団、小鵬汽車、吉利グループ系「極ク(ZEEKR)」など少なくとも10社を数える。車載チップ不足の問題などが改善されるなか、各社はそろって強気の目標を宣言した。
正式に対外公表していないものの、BYD経営陣は社内の23年販売目標を400万台に設定したとされる。前年比で114%の伸びを目指す格好だ。22年のBYD車販売は前年比152.46%増の186万8500台に達した(22年目標120万台を56%超過達成)。うち新エネルギー自動車(NEV)は208.64%増の186万3500万台を売り上げている。
燃油車の製販から退出したことで、新車販売に占めるNEV比率は99.7%に達した。中国の乗用新車販売が2054万3000台に上った点を踏まえれば、BYDは全国シェア20%近くを目指す計算となる。実際には、海外輸出にも注力中だ。
他社の22年販売実績と23年目標
一汽集団が320万台と400万台(前年実績比↑25%)
東風公司が246万台と350万台(↑25%)
長安汽車が234万台と280万台(↑20%)
広汽集団が243万台と267万台(↑10%)
吉利汽車が143万台と165万台(↑15%)
長城汽車が106万台と160万台(↑51%)
小鵬汽車が12万8000台と20万台(↑56%)
極クが7万2000台と14万台(↑94%)
CAAM予想の「全体新車販売3%増」を大幅にアウトパフォームする高い目標だ。