【亜州ビジネス編集部】
盤谷日本人商工会議所(JCC)が1月31日発表した「日系企業景気動向調査」によると、2023年上半期の業況感指数(DI)の見通しは28となり、22年下半期見通しの21を上回った。観光客の増加や原材料不足の解消への期待が高まり、指数を押し上げる要因となった。
調査はJCC会員企業を対象として半年ごとに実施。景況や財務状況などについて質問するもので、1971年から続いている。今回は22年11月29日〜12月23日に508社から回答を得た(回答率は31%)。DIは前期に比べ業況が「上向いた・上向く」と回答した企業の割合から「悪化した・悪化する」と回答した企業の割合を差し引いた値。20年上半期に新型コロナの影響で過去3番目のマイナス幅を記録したものの、その後は回復傾向にある。
23年上半期のDIは、製造業が22、非製造業が34。全14業種がプラスとなり、製造業では輸送用機械、一般機械、化学、非製造業では建設・土木、金融・保険・証券が高かった。
製造業の設備投資に関する質問では、23年度に「投資増」を見込む企業が31%だった。一方、「投資減」を見込む企業は16%、「横ばい」は46%だった。
今後の有望輸出市場(複数回答)は「ベトナム」が47%で首位となり、2位に「インド」(38%)、3位に「インドネシア」(30%)、4位に「日本」(20%)が入った。
経営上の問題点(複数回答)は、「他社との競争激化」が64%で最も多く、これに「原材料価格の上昇」(63%)、「総人件費の上昇」(39%)、「物流コストの上昇」(36%)が続いた。
原燃料の価格高騰・不足の影響については、「ある程度のマイナスの影響が出ている」が 59%、「大きなマイナスの影響が出ている」が24%、「影響はない」が14%だった。