【亜州ビジネス編集部】
国家電気自動車(EV)政策委員会(委員長:スパタナポン副首相兼エネルギー相)は2日の会議で、EV用電池のセルからの生産を促進するための優遇措置を承認した。政府発表によると、電池の物品税を8%から1%に引き下げるほか、電池セル生産に総額240億バーツの補助金を交付し、投資を呼び込む。メーカーのコスト負担を減らしてEVの低価格化と普及拡大につなげる狙い。
補助金は工場の規模と生産する電池容量に応じて設定。年産能力が8ギガワット時(GWh)未満の工場には、1キロワット時(kWh)につき400〜600バーツを、8GWh以上には同600〜800バーツを交付する。
国内では、エネルギー関連事業のエナジー・アブソルート(EA)と台湾電池メーカーのアミタ・テクノロジーズの合弁会社、アミタ・テクノロジーズ(タイランド)が電池セルを生産している。現地報道によると、年産能力は1GWhで、来年には4GWhに増強する計画。将来は50GWhを目指す。EAの幹部は今回のEV政策委の決定について、「モジュール生産への優遇策をやめてセルからの一貫生産を奨励する政府の姿勢が明確になった」と指摘した。
政府は2030年に国内自動車生産の30%を電動車とする「30/30政策」を推進しており、同年には25〜30GWhの電池が必要になるとされる。