【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2022年の域内6カ国の自動車生産台数は、前年比23.9%増の438万3744台だった。新型コロナウイルス禍や半導体不足の影響が薄れ、台数は13年以来、9年ぶりの高水準を記録。最大生産国のタイを含む全6カ国で2桁増となり、インドネシアとマレーシアでは過去最多を更新した。
インドネシアの22年の生産台数は31.0%増の147万146台で、これまでの過去最高の18年も上回った。国内販売が新型コロナ前の19年も上回ったほか、完成車の輸出台数が4割増加。韓国の現代自動車が現地工場を稼働させたことも寄与した。
マレーシアは生産販売とも4割を超える増加となり、そろって70万台超の過去最多を更新。減免税措置の効果で需要が拡大した。ただ、23年は同措置の反動や世界的な景気後退の影響が懸念され、新車販売がマイナスに転じるとの見方が出ている。
22年はベトナムも販売台数が過去最多を更新。生産台数は42.3%増の23万2410台と、16年以来の高水準だった。5月末まで国産車の自動車登録料が半減されたことで年初から販売が好調。ただ、その後は減速気味で、11〜12月には販売台数が前年を割り込んでいる。
タイは回復途上
タイは生産台数が11.7%増の188万3515台、販売台数が12.6%増の84万9388台に拡大。半導体不足が改善したこともあって完成車の輸出台数は4.3%増えた。新型コロナ禍からは回復途上にあり、生産販売とも19年(生産が201万3710台、販売が100万7552台)を下回っている。23年も依然として19年を下回る見通しで、業界団体は生産台数を195万台と予測。国内市場についてはトヨタの現地法人が90万台と予測している。