【亜州ビジネス編集部】
タイのバンコクに向けて生鮮野菜を輸送する中老鉄路(中国ラオス鉄道)の国際貨物列車が7日午後、中国雲南省の昆明中心駅を出発した。バンコクには55時間で到着し、鉄道とトラックの利用に比べ所要時間を約1日短縮。帰りはドリアンやリュウガンなどのタイ産果物を中国に運ぶ。中国〜タイを往復で結ぶ初の鉄道輸送になるという。中国政府系メディアが同日付で報じた。
中国鉄路集団昆明局集団によると、バンコク行き国際貨物列車「瀾ビ快速線」は冷蔵コンテナ19TEU(20フィートコンテナ)に280トンの野菜を搭載し、まず中国ラオス鉄道のラオス側の終点であるビエンチャンまで輸送。タイの鉄道は線路の幅が異なるため、ビエンチャンで積み替えを行った後にバンコクへ向かう。
往復列車を運行するにあたり、中国では税関部門との調整も徹底し、積極的に通関・保税手続きのスピードアップを促進した。全て鉄道で運ぶことにより、輸送時間の短縮に加え、輸送コストを20%ほど削減できるという。
中国ラオス鉄道は中国の雲南省昆明市とラオスの首都ビエンチャンを結ぶもので、全長が1000キロメートルを超える。中国区間は全長508キロメートルで、ほぼ雲南省内が占める。2021年12月3日に全線開通した。