【亜州ビジネス編集部】
商務省の2日発表によると、2023年1月の輸出額は前年同月比4.5%減の202億4950万米ドルだった。前年同月を下回るのは4カ月連続で、金額は20年2月以来の低水準。世界的な景気減速を背景に米国や中国など主要国への輸出が軒並み落ち込んだ。
一方、原油などの輸入が膨んだことで、輸入額は5.5%増の248億9910万米ドルに拡大。貿易収支は10カ月連続の赤字となり、赤字幅は46億4960万米ドルと、13年1月以来、10年ぶりの大きさだった。
輸出は8割を占める主要工業製品が5.4%減、2割弱を占める農産物・加工品が2.7%減。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は3.0%減だった。
工業製品の輸出では、プラスチック(25.0%減)で2割前後の落ち込みが続いており、化学品(17.6%減)も低調に推移している。電子製品(3.0%減)では主力のハードディスク駆動装置(HDD)が引き続き大幅なマイナス。また、電気製品(2.0%減)ではエアコン・部品が2桁増だったものの、冷蔵・冷凍庫が2割の減少だった。鉄鋼を中心とする建材(9.0%減)も低迷が続く。
車両・部品はプラス成長を維持
一方、車両・部品(6.5%増)は半導体不足が改善する中でプラス成長を維持。乗用車やピックアップトラック、バイクが2桁の伸びを示した。
輸出先国別では、全体の2割弱を占め最大の米国向けが4.7%減、2番目に大きい中国向けが11.4%減、3番目の日本向けが11.4%減とそろって前年を割り込んだ。米国向けと中国向けは電子製品が振るわず、対日輸出では化学品や鶏肉加工品、銅の落ち込みが大きかった。
輸入額は資本財(10.4%減)などが落ち込んだものの、原油を中心とする燃料(84.4%増)の伸びを受けて全体ではプラスとなった。前月まで低迷していた車両・輸送機器(28.4%増)は増加に転じ、特に商用車(4.9倍)が大幅に伸びた。