【亜州ビジネス編集部】
日本郵船は29日、同社が参画するシンガポールの潮流発電実証事業で、発電装置の運用が開始されると発表した。事業は現地の潮流発電会社、ブルーエナジー・ソリューションズが主導するもので、九州電力グループなども参画。出力28キロワット(kW)の発電装置を設けて、灯台に電力を供給する。電力会社の送電網に接続しないオフグリッドの事業で、同様の事業は東南アジア初という。
シンガポール本島から14キロメートル離れたサトゥム島のラッフルズ灯台沖で実施する。期間は来月中旬から6カ月間の予定。ブルーエナジーが独自開発した出力7キロワット(kW)の発電タービンを4基設置し、性能確認などを行う。同灯台に供給する電力をディーゼル発電から潮流発電に切り替えることで、脱炭素化に貢献する。日本からは日本海事協会と船舶塗料の日本ペイントマリンも参画する。
潮流発電は、年間を通じて水量・方向が安定している潮流を利用するため、気象条件などに影響を受ける風力発電などと異なり、発電量の予測が立てやすいとされる。