【亜州ビジネス編集部】
商務省の30日発表によると、2023年2月の輸出額は前年同月比4.7%減の223億7630万米ドルだった。前年同月を下回るのは5カ月連続。世界的な景気減速を背景に電気・電子製品など主要輸出品の多くが前年を割り込んだ。前年同月に高水準だった反動もあった。輸入額は1.1%増の234億8970万米ドル。貿易収支は11カ月連続の赤字で、赤字幅は11億1340万米ドルだった。
輸出は2割弱を占める農産物・加工品が3.6%増える一方、8割を占める主要工業製品が6.5%減少した。変動の大きい金と石油、武器を除く輸出額は0.1%減だった。
工業製品の輸出では、プラスチック(24.4%減)で2割前後の落ち込みが続き、化学品(19.7%減)も低調に推移している。電子製品(4.7%減)では主力のハードディスク駆動装置(HDD)が半減。電気製品(2.0%減)はエアコン・部品が伸びているものの、テレビ・部品や冷蔵・冷凍庫が2桁の減少だった。鉄鋼を中心とする建材(15.6%減)も落ち込みが続いている。
乗用車とバイクは20%超の増加
一方、車両・部品(6.7%増)は半導体不足が改善する中でプラス成長を維持。乗用車とバイクが20%超の増加だった。
輸出先国別では、全体の2割弱を占め最大の米国向けが9.5%減、2番目に大きい中国向けが9.6%減、3番目の日本向けが5.9%減とそろって前年を割り込んだ。米国と中国向けは前月と同様に電子製品が振るわず、対日輸出では電話・部品、電子製品、鶏肉加工品などの減少幅が大きかった。
輸入額は原材料・半製品(10.5%減)が落ち込む一方、原油を中心とする燃料(15.7%増)や車両・輸送機器(39.9%増)などはプラスだった。原材料・半製品では化学品と鉄鋼が1割減少した。
1〜2月の累計は、輸出額が前年同期比4.6%減の426億2580万米ドル、輸入額が3.3%増の483億8880万米ドル、貿易収支が57億6310万米ドルの赤字だった。