【亜州ビジネス編集部】
米S&Pグローバルが4日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2023年4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.7となり、前月(51.0)を1.7ポイント上回った。景気拡大と悪化の分かれ目である50を上回るのは19カ月連続。タイで内需拡大を背景に指数が大きく上昇し、過去最高となって全体を押し上げた。
東南アジア全体では生産高や新規受注の伸びが加速。購買活動が活発化して在庫を積み増す動きがみられた。また、インフレの緩和でコスト負担が軽減された。一方、雇用は2カ月連続で縮小した。
タイは最高を更新
国別では7カ国のうち4カ国で指数が前月を上回った。タイ(60.4)は15年12月の調査開始以降の最高を更新。前月から7.3ポイント上昇しており、上昇幅も過去最高だった。内需がけん引したほか輸出も上向き、生産や新規受注が大きく拡大。5月半ばに総選挙を控える中で政情安定化への期待もあり、今後の見通しも改善している。
インドネシア(52.7)の指数は7カ月ぶりの高水準。内需の好調で新規受注が伸びている。シンガポール(51.9)は3カ月ぶりに50超の“景気拡大”に転じた。
一方、フィリピン(51.4)は50超を維持したものの、生産と新規受注の減速で前月から指数が低下。また、ベトナム(46.7)とマレーシア(48.8)は50未満で推移しており、ベトナムでは特に新規受注の落ち込みが加速している。