【亜州ビジネス編集部】
タイ国トヨタ自動車(TMT)の25日発表によると、2023年4月の国内新車販売台数は前年同月比6.1%減の5万9530台だった。前年同月を下回るのは6カ月連続。1トンピックアップトラックが前月に続く2割減となったほか、乗用車も3カ月ぶりに前年を割り込んだ。同社は落ち込みの理由として、5月の総選挙を前に経済政策の動向を見極めたい企業や個人の買い控えがあったと説明した。
1トンピックは20.3%減の2万6818台、乗用車は1.4%減の2万203台。タイ工業連盟(FTI)は、自動車ローンの与信厳格化を1トンピックの販売減の要因に挙げている。一方、商用車に含まれるスポーツ多目的車(SUV)は57.2%増の9175台と大きく拡大した。中国・比亜迪汽車(BYD)の新規参入があったほか、ホンダが販売を伸ばしている。
メーカー別の販売台数は、日本メーカーの合計が13.0%減と全体を上回る落ち込みを記録。日系のシェアは80.4%と、前年同月の86.8%から低下した。首位トヨタの販売台数が9.8%減、2位いすゞが19.6%減となるなど多くのメーカーで前年割れだった。一方、ホンダはSUVの販売が2.3倍に増え、乗用車も含む全体では25.5%増だった。非日系では米フォードが13.2%増と2桁の伸びが続いている。
1〜4月の販売台数は前年同期比6.1%減の27万6603台。乗用車が1.6%増とプラスだったものの、1トンピックは18.0%減と落ち込んだ。TMTは総選挙の影響で5月の販売も低調に推移すると予測している。